エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

サンクコストの回収を、もっと早く諦めてればよかったなぁと今でも思う

今回は書評。本を読んでもすぐ忘れるので覚え書きとして。


内容。諦めることは他の道を選択することであり、ネガティブなことではない。何によって目的を達成するかという点で見れば他の道に移ることに肯定的になってもよいのでは、という話。日本ではそういう話をできる空気があまりないですよね、と。

あーその通りだ、そうだよね、と思うことばかりだった。さて、自分の話をする。

自分がずっと後悔してるのは、理系を選択したことだ。もっと言うと理系のままずるずる今まで来てしまったことだ。

子供の頃から理系科目より文系科目が得意だった。高校でもそうだった。しかし、理系を選択した。理由は下記。

理系は就職に困らないという周囲のアドバイス
苦手を克服することがすばらしいというイメージ
頭がいいやつは理系にいくという周囲の雰囲気

今思うとしょーもない。理由になりえない。判断などしてないのだろう。なんとなく選択したのだ。

その後はこの選択によって苦労した。理系の勉強をがんばってもいまいち伸び悩む。他人より勉強してるつもりなのに頭に入ってこない。まあ、向いてないんだろう。そして大学に入ってさらにショックを受けた。工学部なんで理数の好きなやつばっかで、楽しそうに理系トークをしてる。かつ、自分より知識も豊富。まあ、好きなことやってる人と、苦しいと思いながらやってる人だとそりゃ違う。

そこで気づいたはずだった。俺は理系に向いてない。

しかし、今まで理系を勉強してきた時間と努力がある。文系に行くとこれらがムダになってしまう。だから、理系でがんばらないと、と考えた。つまり、サンクコストを回収しようとしたのだ。

そのとき、やっぱり理系は就職強いし、さらに努力すれば苦手も克服できるはず。みたいに考えてた。

んで、今に至る。振り返ってみるとすごく狭い世界で考えている。というか思考にもなってない。なんかもう笑える。

さて、過去のことはそろそろ置いといて、これからのことを考える。

今となっては理系つーかモノの設計は楽しい。基板設計とかプログラミングとか。ここまで来るのに10年以上かかったわけだが、今楽しいと思えることをやめたくない。よって、しばらくは設計関係をやっていきたい。また、仕事には理系文系ってあんまないような気もする。どっちの能力も必要だと思うし、目的を定めて、達成するために考えることは不変と思う。

昔と違って今の道に固執したり、やめられないという感覚があったりするわけではない。だから、他の道を考えつつ今楽しいと思えることをやっていって、楽しくなくなったら他の道に移って、また楽しいことを探そう。と、考えている。

最後に本の中で印象に残った転職理由を書き留めておく。

「飽きたから」

そう、人生はもっと軽やかで自由なものなのだ。



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