エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

どうして世の中はこんなにいいかげんなんだ

タイトルの内容を最近よく思う。学生時代はほとんど思わなかった。

世の中のいいかげんさを感じるようになったのは就職して設計に配属されて、そして製品の立ち上げが終わったくらいからだと思う。

製品の立ち上げはばらつきとの闘いであり、マージンの検証が不可欠である。言ってみれば、NGゾーンからどれだけキョリを取れるかで量産OKまたはNGの判断が変わる。そしてばらつきは大きく、1mmでも1μmでもマージンが欲しい場面に遭遇する。フツーに考えたらマージンはないところでも、量産を止めるわけにはいけない。どうするか。悪条件を積み上げるのではなく、場合分けしたり確率計算したりでなんとかマージンを取るのだ。いわゆるOKストーリーてやつ。製品立ち上げでしばらく必死になってそんなことをやっていた。その過程で、自分自身のいいかげんさが減ったのだと思う。

すると今度は周囲のいいかげんさが気になってきた。考えが浅かったり、まあいいかで済ませたり、会話の内容が飛んだり、なんとなくで進めることが気になる。会社でもいいかげんな人は多い。気になるものの、いちいち言うわけにもいかない。しかし、自分も関わるチームの場合は言う。いいかげんさのせいで後々問題になると困るからだ。会社はそれでいい。仕事なのだから。

私生活でも気になってきた。自動車関係の契約で営業さんと話してる時、不動産屋さんと書類を作成してる時、宅急便屋さんと再配達の電話をしてる時。会話の内容に筋が通ってなかったり、書類の記載もれがあったり、勢いだけで話を進めたりされると非常に気になる。一つ一つの事象に対してもっときっちり詰めろよ、と思う。

こんな具合で、いいかげんさが気になることに少し困っている。どうやら世の中はきっちり詰めなくても進むらしい。しかし、自分はこの先ますますいいかげんさが気になっていくのだと思う。複雑な仕事はこなせるようになる反面、いらいらは増えるのだろう。

複雑な仕事をやらないといけないのだし、やりたいのだ。仕方ないのかもしれない。