エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

大学生の自分へ。それでもエンジニアになると言うなら。

◆キミには向いてない
前回3年前の自分に対して、エンジニアに向いてないからやめとけメッセージを書きました。3年前だと大学院1回生です。この時点で向いてないのはわかる。しかし、これが大学生活前半だったならエンジニアになるために舵を切ることが可能かも、と思いました。よって、大学1〜2回生くらいの自分を想定して、エンジニアになるためのメッセージを送ります。

ちなみにココで言うエンジニアとは、大企業と呼ばれるメーカーに勤める設計者を想定します。今の自分てこと。

◆さて。書くか。大学1回生の自分へ。
キミはエンジニアには向いていない。それは薄々気づいているだろう。大学の授業に興味は持てず、頭を使うのは嫌いで、数字よりも感覚を優先させる。だから、エンジニアには向いていない、現時点で。それでもエンジニアになるというなら、今からのメッセージを参考にしてほしい。

◆勉強しよう
大学の工学部はメーカーで働くエンジニアの養成所です。日本を支えるモノヅクリを担う人材を養成しないといけませんから。←この表現に古臭さを感じるのは自分だけだろうか。メーカーで使える人材にするためのカリキュラムが組まれています。

電磁気学をやっても役に立ちそうがないなどと思わないでください。仕事で使います。電磁気学の公式に則って設計を行います。よって数学も使います。フーリエラプラスに頭を悩ますことになります。物性も知っておくと役に立ちます。最先端の部品を使おうとすると物性の理解が必要です。わからないものは使えませんから。

つまり、基礎です。設計で使う基礎知識を習得し、それを活用できる状態にしておく。ここまでが学生時代にやっておくべきことです。就職してから基礎をやる時間はありません。そんなことを会社でやっていると仕事は進みません。納期には間に合わず、周囲に迷惑をかけ、工場に怒られ、同期に差をつけられます。スピードは大事。

学科における基礎部分は固めておいてください。
具体的には問題集を解いてください。自分の体に覚えこませておかないと使えません。

◆本を読もう、専門書を読もう
専門分野の本を読んでください。数式とか法則とか原理が載っていて頭を使わないといけないゴリゴリしたやつ。時間をかけていいです。難しい内容を理解する練習は必ず役に立ちます。そして法則、原理は会社に入っても使えます。身に付けてください。

専門分野の特許や論文なんかもよいです。専門分野における語彙を増やしてください。会社に入ってから語彙を覚えているようでは、会話が成り立ちません。先輩や上司も忙しいのだよ。お前に構ってるひまはない。

◆議論しよう
友人や先輩、教授など工学部系の人と議論してください。入り組んだ内容について問いを設定し、結論を導いてください。読んだ専門書についてでも授業の内容についてでも構いません。議論し、最善の策を導きだすことは会社に入っても行います。設計者の会議なんて全てそれです。会議の回数は多く、参加人数も多いです。だから、複数人での議論もぜひやってください。妥協せずにとことん議論してください。まあ、いいかはなしです。会社では使えません。

議論をやっていくとわかると思いますが、数字で語ってください。改善した、悪化したというのを数字で言ってください。数字の感覚は必須です。何の値がどのくらい改善したのか。正確性を身に付けてください。

◆作ろう
なんでもいいです。工学部で習ったこと・自分で勉強したことを活用して何か作ってください。回路でもソフトでもいいです。できれば多人数でチームを組んで作ることをお勧めします。学生フォーミュラなんかいいかも。コストや安全性、ルールの制限がたくさんある中で最善のモノを考え、作り出す。それがそのまま設計者の仕事です。チーム内で揉めたり、予期せぬトラブルに対応したり、期限前にメッチャストレスを感じる。仕事と同じですね。

以上のようなことを実践していけば、数年後には立派にエンジニアの卵となっているでしょう。


◆読み返して
自分は何もしてねーや。やっぱ向いて無いんだなあ。