エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

工場って必要?

  • 現場を知らなければならない?

 モノヅクリの企業は生産現場を知らなければいけない!ということでメーカーではお約束の工場実習を経験しました。工場は土地と人件費の安い田舎に作るのが鉄則らしく、僻地で生活してました。
 生産現場を知らない人間は、設計や開発に回ったときに作りにくい製品を作り出してしまうらしい。無理な要求を現場にしてくるらしい。ゆえに現場を知らなければならない…そうです。

  • 現場を知ったのか?

 工場では生産ラインに入って製品を作るお手伝いをしました。しかし、実習生なんて数ヶ月で消えますから現場の人もあまり教える気がないし、本人もよくわからないまま同じ作業を繰り返すという日々でした。バイトだよねw
 では現場を見て何を学んだのか?結論から言うとムダ多いなってことです。

  • それって必要?

 作業は毎日行っているので習熟して速くなります。ベテランの人達はメッチャ速いです。しかし、そもそもその作業って必要?ってのがあります。機械でできることを人がするの?とかね。

  • 人多過ぎない?

 製品を作るとなると工程が多いので関わる人も多くなります。装置のオペレーターとか、検査する人とか。でも、多すぎない?ほぼ働いて無い人いるよね?ていうか、その工程いらないよね?とかそういうことです。

  • 現場を知って考えたこと

1.現場の作業員に改善を求める必要ないんじゃなかろうか。 
 日本のメーカーって「改善」という言葉が大好きです。現場の作業員に「改善!改善!」と頭使うことを求めます。でも日々の作業に追われ、頭よりも体を使う人達に頭使って改善しろというのは違う気がする。上から言われたことをただただ実践していく方が自然な姿ではないのか。改善はその専門チームがやった方がいいだろう。現場は現場しか見えないから、局所最適ばかり積み上げて全体最適から離れていくことがある。
   
2.日本に工場作って人を雇うのはムダじゃなかろうか。
 人件費の安い海外で作った方がはるかに安くできる。それに日本で田舎に工場建てちゃうと、それが地域経済の核になってしまう。雇用を作って、税金も納めて、地域を活性化させる、と。時が経ってその工場がムダになってきてもなかなか撤退しにくいよね。工場で働く人と仲良くなっちゃうと余計にね。

3.工場っていらないんじゃ?
 上記1+2→日本に工場いらないし、現場の作業員に知的レベルをあまり求めなくてもいいとなるとファウンドリ(受託生産)に任せちまった方がいいんじゃないか。ブラックボックス化したいレベルの要素技術を持つ工場だけ残して、あとは海外の生産会社にお任せした方がいいよね。

  • エンジニアとして学んだこと

1.不良品の多さ
 製品を作るのはコストとの戦い!とか言いながら不良品って多いんですよね。なるべく不良品の出にくい製品を設計できたらいいかなとは思います。

2.工程の多さ
 上でも書いたけど工程多いんです。なるべく簡単に作れる製品を設計できれば人のムダを省けるし(ホントに省かれるとは思えないが)、時間も短縮できますね。

3.とはいえ!
 製品を設計するときには工場のために作るわけではない!売れる製品、利益を生む製品を作る方が優先度は高いに決まっている。その製品がどんだけ複雑だろうと売れて利益が出ればいいのだ。それをきっちり作っていくのが工場の仕事だろう。

 最後に書いたところが本音。反論はあるでしょうが感じたことだから仕方ない。エンジニアやってくうちに考え方変わって「日本の雇用を守らなければ!」とか言い出すかな。そのために利益削ったり赤字出したりしたら、企業として頭イッてるといか思えない。もっと合理的でいいでしょ。

 ということで、工場ネタはまた書くかもしれません。ではでは。