エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

上司の手足でしかない。拘束された。

◆歯車であり存在価値などない
わかっていたさ。しかし、今日は実感した。そんな1日だった。

担当ユニットでけっこうな問題が起きた。僕一人では収束させられないことはわかっている。サポートしてくれる先輩が不在だった。そこでさらにもうひとつ上の階層の人が面倒を見てくれることになった。リーダー的なポジションの人だ。リダさんとしよう。

僕はいつもの調子なわけで。検討内容をおぼろげに把握した状態で進めてしまう。ちょっとしたトラブルでつまる。ほんとに大したことないことで詰まる。いつもは時間はかかるものの先輩の協力を仰ぎながら、大したことない問題を解決していくのだ。しかし、今日は違った。

◆めちゃプレッシャー
さて、朝イチから指示が来て検討を始める。そのうち検討のしょーもないとこでつまってしまった。困った。あれやってみるかこれやってみるかとやってるうちにリダさんが来た。状況を説明し、アドバイスをくれた。やってみた。できた。ここまではよかった。

その後、またしてもほぼ同じようなとこで詰まった。さっきのようにやってみる。できない。違う要因なのだと考え、方向性を変えてトライ。またトライ。だめだ。数人の先輩に聞く。だめだ。とやってるうちにリダさんが来た。

説明すると、さっきやったじゃねーかという顔。ああ。そうだった。この人はこういうタイプなのだ。感情的にはならない。しかし、顔に出る。そして、無言のプレッシャーをかけてくるのだ。

どういうことかというと、黙って隣のデスクに座った。僕が隣でしょーもねートラブルと格闘しているのを見ずに全く関係ない仕事を始めた。いやあ、背中は語るね。早く処理しろよ、いつまでやってんだよ、という心の声が聞こえてくるよ。リーダクラスの人にこれやられたら、新人ビビるよ。冷静でいられない。で、ヤバイヤバイと焦っているうちに全然片づけられずますます焦ってた。そしたら、リダさんも先に進まないことにしびれを切らして、声をかけてきた。どんな感じ?声を荒げているわけではないものの、目が全然笑ってない。こえーよ。

◆しどろもどろで
状況を説明する。それが伝わりにくいもんだから、余計にイライラしたんだろう。これはやったの?あれはやったの?と。やりました。だめでした。じゃあ、聞こうよと。もう聞いたよ。電話してたの後ろにいて知ってただろ。しっかし、他の部門に聞けと言われてもそこが原因じゃねー気がするんだよなあと思い、考えてたら怒られた。悩んでも先にすすまないでしょ!きこーよ!とね。悩んでんじゃねーんだよ、考えてんだよと思いつつもこのままじゃラチあかんのは事実だしなあと思っていた。そしたら、リダさんがしびれを切らして、電話かけ始めちゃった。しかし、僕も他のユニット起因じゃないのは感じてたから、たまたま通りがかった自部門の先輩つかまえて、しどろもどろの説明をする。

◆どうなったか
先輩はこういうトラブルに対応するのがうまい人だったので、順を追って切り分けていき、ものの2.3分で原因を探り当てた。結局、リダさんの指摘点ではなく、そして僕の考えていた以外の要因だった。コネクタの接触不良だった。しょーもない。こんなことで30分も無駄にしたらリダさんも怒るわな。

少しの間、席をはずしたリダさんに接触不良でしたと伝えたら、苦笑いでした。さて、そっからはリダさんの指示のもと再度検討を進めたわけです。

◆拘束された感
半端ない。リダさんと検討をやるとこういう羽目になる。リダさんからしたら、僕が抱えてる他の仕事なんて取るに足りないのだろう。重要度、緊急度からいったらそれは正しい。今一緒に進めてる検討のために全ての時間を費やせというのがリダさんの考え方。しかし、それをやってしまうとその問題が解決するまで他の問題が一切進まないことになってしまう。事実、今日は他の問題は進まなかった。過去にも似たようなことがあった。リダさんからしたら僕の仕事は緊急度・重要度は低いため、すべて後回しになる。過去にもそんなことがあって、おかげで一つの仕事が終ったあとに待っていたのは時間を置きすぎて緊急度・重要度が上がりに上がったタスクばかりだった。僕の仕事はしばらく炎上したのだ。

◆わかるんだけれども
一緒に仕事進めるわけでもなく、自由にさせるでもなく、プレッシャーだけ与えられるのはつらい。他の仕事もさせてもらえねい。おそらくリダさんは何か困ったことがあった時のために、僕がへまをしないか心配だから、早く検討を進めたいからという理由で隣のデスクに座っていたのだろう。しかし、プレッシャーと拘束感は半端じゃない。ちょっとの空き時間でメールを打つにも、それを見つかると説明が必要になりそうだからできない。

◆感想
あなたの部下であることを実感させられました。そして、2階層上の人にとって僕が考えて問題を解決して成長することなんてちっぽけな話だと感じました。そして、僕の仕事は階層の上の人のためにやるものであることを思い出しました。同時に自分が主体となって製品を作るのは10年以上先なのだというおそろしいことに気づきました。

自分が製品を作ったといえるのは10年以上先のことです。おそろしいですね。大企業はチャンスがいっぱいありそうに見えて、全然ないです。ルールと作業はいっぱいあるがね。この辺はまた別の話か。どっと疲れた金曜日だった。おやすみなさい。