エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

仕事わからん過ぎる。なんでちんぷんかんぷんなのか考えた。

※この記事を書いてから6年が経つ(今は2019年)ので、今の考えを最後に追記しました。

■現状
仕事わからん。
回路わからん。
電気わからん。
製品わからん。
さっぱわからん。

ホントに。回路設計なんで電気わかってないと仕事にならん。でも、一年前と比べてあんまり変わってない。わかってないまま。だから、やっぱり仕事は進まん。困る。自信喪失。心折れる。仕事行きたくない。仕事のこと考えたくない。勉強しない。わからんまま。

おぉ、悪循環。おそろしい。

■この悪循環を断ち切ろうと問答してみる。ブレインストーミングっぽいやつ。
考えたわけで。
そもそもの元凶は何か?→回路わからん。
どうして回路がわからないか?→大学で勉強してない。
研修はあったし、丁寧に教えてくれる先輩もいる。それでもわからないのか?→わからん。
上記のように教えてもらえる環境はあるが?→そう。でも、わからん。
環境はあるのになぜわからないのか。わかるために必要なことは?→勉強量を増やす。
教えてもらってわからないことは勉強量を増やしてもわからないままでは?→そうかも。
そもそもどうしたいのか?→回路わかりたい。
もう少し具体的にいうと?→自分の分野は弱電。信号の扱いなので、電流がどのような流れで回路を流れてその時にswやFETなど各素子がどういう動きをするかイメージできるようになりたい。
イメージしたいと。どうしたらできる。簡単な回路ならわかるか?→簡単な回路はわかる。
複雑な回路も簡単な部分で切り取るとわかる?→わかる部分もある。
わからない部分は何か?→素子の動作。
素子の動作を押さえればその部分もわかるのでは?→そうだと思う。
わからない素子を潰していっては?→そうだね。

■まとめよう1
ここまでで素子の理解が必要とわかった。
もうひとつ気になるところがあるので、思考を続けよう。

■問答2
途中で勉強量を増やすと回答した。どういう意味か?→回路の基本とか教科書とか読む。
読んでわからなかったところがわかるのか?→あんま自信ない。
今までの経験から考えてみよう。例えば数学。授業を聞いたり、本を読むだけでわかったか?問題が解けるようになったか?→ならなかった。
何をしたらわかるようになったか?→自分で繰り返し問題を解いた。
読む、と、問題を解くの違いは?→自分の頭を使った。手を動かした。
自分の頭を使って、手を動かしたらわかるようになった?→そうだ。
今の製品や回路、研修において自分の頭と手を使ったか?→そんなにかも。
どうして?→資料が丁寧だからなんとなくわかった気になる。教えてもらったらなんとなくわかった気になる。
わかった気になったあとにその内容を他人に説明できるか?→できない。
どうして?→漠然と理解しているだけで自分の知識になってないから。
どうすれば自分の知識になるのか?→自分の頭で考え直す。回路書いてみる。
頭と手を使うということ?→そうだ。
そうすれば他人に説明できるか?→すぐにはできない。繰り返すことで自分の知識になる。
繰り返し自分の頭と手を使って考えると他人に説明できる?→できるようになる。過去に別の分野でなった。

■まとめよう2
ここまででなぜわからないかの原因が明らかにされた。
つまり、自分の頭と手を使って繰り返し考えることが必要なのだ。

■振り返って
確かにその通りで、わからんわからんと言いつつ、目先のことに追われてあんまり自分で考えてなかった。既に存在している技術を覚えようという意識が強かった。そして、暗記はつまらないからやる気が起きない。そして、やらないからわからないままだった。

でも、暗記は応用が効かないし、今の技術も誰かが考えて作ったものだ。そこにはその技術が必要とされた背景がある。

その視点に立って自分が技術を生み出すつもりで1から考えてみようと思った。その過程でわからない素子を丁寧に理解することも必要だろうし、間違えて考え直すことも必要だろう。なんのことはない。背景、目的、手段の話だ。

背景:どんな問題が起きていたか?
目的:どうしたいか?
手段:どんな方法で目的を達成するか?

ここから考えていけば、ストーリーもあるし、面白い。過去の設計者の考えに触れることができる。それに触れることで、自分も1人前のの設計者に1歩近づけるだろう。なんだか急に技術が身近に感じてきた。

■さて
目先のことに追われず、自分の頭で考えてみよ。手を動かして回路を追っかけよう。
なんだかワクワクしてきた。



<追記:この記事から6年後に思うこと>
確かに自分で考えないと身につかないですね。
そして、アウトプットを出すこと。先輩でも後輩でも誰でもいいから自分よりできる人に見てもらい、フィードバックをもらうこと。
これをしないと使える技術にならないです。
尚、仕事と回路の理解は分けて考えた方がいいと思います。
仕事の進め方と技術の向上は分野が異なる話です。仕事は技術スキルだけではない、ということです。
この当時はどちらもわかってなかったため、切り分けられてなかったのだと思います。