エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

設計という名のチキンレース。

◆問題は多く
設計をやっていると常に問題は発生する。よくもこんなにあるもんだと思えるくらいに問題は生じる。そして、問題には大小がある。接触がよくないとか、束線の長さが足りなかったとか小さい問題から生産をストップしなければいけないレベルの大問題もある。

◆大問題とは
影響範囲が広く、ユーザにも明らかにわかるレベルで問題とされる現象が明らかであり、かつ、解決策が見つかっていない問題のこと。発生時点では原因もなかなかわからない場合が多い。

つまりは、こんな状態じゃ生産できねーよ!ってレベルの問題なわけ。

◆さて
大問題はどこで発生するかわかったもんじゃない。論理的に詰めていき、しっかり着実に検討していけば大問題の発生確率は抑えられるかもしれない。しかし、絶対はない。十分な時間もない。人も足りない。例え、自分の担当ユニットは完璧でもそんなこたあないけど隣のユニット起因で大問題に巻き込まれることも。電気はばっちりでもメカで大問題に巻き込まれることも。そんな場合に俺は知らんとか言えないし、当事者にならざるを得ない。製品の日程に影響を与えるような問題は、組織として解決すべき問題なのだ。

◆んで
ここまで述べてきたのは大問題はどこかで発生するということ。自分が巻き込まれるかどうかは自分には依らないということ。そして、常に問題は発生しているということ。

そして、設計者は心のどこかで思っている。日程遅れてほしい…と。自分のユニットもまだ見れてない部分がいっぱいあるし、現在抱えてる問題もちゃんと処理できてない。だから、もう少し時間がほしいと。とにかく時間が足りないと。

ただ自分起因で日程遅れるなんて最悪すぎる。責任があるし、いろんなところに迷惑かけるし。上から詰められ、その上からも詰められ、工場に詰められ、品保部門に詰められ、心身ともに擦り減ること間違いなしだ。

◆だから
設計者は密かに願っている。誰かが自分と関係ないところで日程遅らすレベルの問題を起こしてくれると自分は助かる、と。最悪だが人間の心理はそんなもんだ。で、自分はなんとか日程に間に合わそうとがんばる。間に合ってるように装う。実は日程遅らすレベルに近い問題を抱えていようとも。

そして、どこかで大問題が明らかになり、今のままじゃ無理ですといったユニット起因でめでたく日程は遅れる。

◆どこまで
ガマンできるかが勝負だ。例え、このままじゃ間に合わなくとも。隠している問題がけっこうやばいレベルでも。

◆誰がギブアップするか
ガマンできずに初めにギブアップするのはどのユニットか。どの部門か。
設計者はギリッギリのリソースでギリッギリの仕事をしている。
製品開発とは、誰が最初に音を上げるかというチキンレースなのだ。しんどいっつーねん。。