エンジニアはどこへゆくのか 〜電機メーカ開発者の悩める日々~

組み込み系エンジニア。新卒でメーカに入社してからの日々。思ったこと、考えたことを書いていく。1回転職した。

君はサムスンに勝てるか?

■日本電機業界のライバル
日本の電機業界はあまり調子がよくありません。円安で持ち直したとはいえ、為替の影響を除くと成長はしてないようです。低成長の理由として、新興国メーカーとの競争で疲弊していることが挙げられます。そのメーカーの筆頭がサムスン。韓国ってもはや新興国とは呼べない。

そんな強力なライバル、サムスンについて考えてみました。
ただ同社についてあまり情報を持ってないので、ほとんど僕の想像です。
(注:同社について誤解している点があればゴメンナサイ。)

サムスンが業界に参入するときの手法
新規で業界を開拓するときの手法を簡潔に。

同社はコモディティ化しそうな市場に参入してきます。(例:TV)

まずは日本製品を真似る。パクッてるんじゃない?というくらいの真似方をしてきます。コモディティ化し始めた市場は技術的にも成熟期にあるため、真似をすればそこそこの物ができあがります。

価格で勝負。とにかく安く作る。新規なので安全基準を日本メーカーと比較すると緩いことが考えられます。真似して作るだけなら、研究開発への投資も少なくて済みそう。そして、コモディティ化した市場で勝ち残るには、技術よりも価格が重要。

同社が参入することでコモディティ化を加速させ、さらに価格勝負に持ち込みます。この時点で企業としては体力勝負の持久戦になります。そうなると体力のある同社が勝ちます。日本メーカーは同社ほどの体力はありません。

■では日本企業がサムスンと闘うためには
価格勝負に持ち込まれると負けることは明白です。そこで魅力的な製品を打ち出し、差別化することが必要になってきます(※ココについては追記)。

製品を差別化するときに必要なのが斬新なアイデア。日本のエンジニアは同社よりも優れた、面白いアイデアを出し、具現化していくことを求められます。ではそのために何が必要か?

基礎です。知識のないところにアイデアは生まれません。具現化にも知識や経験が必要です。僕が思うに柱となる技術分野の知識に加え、もう一つ秀でた第2分野を持つとよいです。というのは、アイデアを生み出すというのは柱と他の分野をリンクさせ、その間にあるグレーゾーンを開拓していくイメージです。1つの分野だけでは既に開拓している先人がいるため、斬新なアイデアを出すのは難しいのです。

■君はサムスンに勝てるか?
あなたのベースとなる分野は何ですか?どれくらい深く理解していますか?
第2分野は何ですか?どれくらい深く理解していますか?

この問いでサムスン社員と自分を比較した場合、どうでしょうか?
僕は勝てる気がしません。博士号やMBAを取った人達、高校大学と猛烈に勉強してきた人達と闘える知識はないでしょう。

■仕事を覚えるだけでなく
武器としての知識を身に付ける必要があります。もちろん柱は電気。そして+α。そうしないとサムスンとの競争力は保てない、どころか負けは明白です。今の自分のような社員ばかりではいずれ日本の電気メーカーは無くなるかも?

■まとめ
ライバルはサムスンということを意識すると「自分ヤバイ!」と思います。

※追記
コモディティ化してしまった市場はアイデアどころじゃどうしようもなく、ただただ持久戦が続き、疲弊していくのでは?という不安もあります。それについてはまた書きます。